フリーランスの手帖

自由な働き方をするための備忘録

これからフリーランスになる人が持っておくべき2つの要素

好奇心と柔軟性

フリーランスになって7年経ちました。これまでのことを振り返ったときに「好奇心」と「柔軟性」ってとてつもなく大事だなって思ったので、ここに書いてみます。

 

好奇心って大事

興味が仕事を長続きさせる

良くも悪くも、会社では自動的に仕事が降ってきたり湧いてきたりします。どんなにやりたくなくても、元気が出なくても、無慈悲に上司が仕事を持ってきてくれますよね。でも独立すると、自分がなにもしたくないと思えば本当になにもしなくていいんです。ふいに襲ってくる危機感さえ無視することができたら、びっくりするくらい怠惰な生活が送れてしまうんですね。

 

たしかに、見栄とかプライドとか反骨心も一時的なモチベーションにはなるんだけど、そういう相対的な動機ってなにかのきっかけでプツンと切れてしまうんですよね。入り口がそれでも、そこから興味を持って能動的に仕事をしていっている人がフリーランスとして長く残っている気がします。

 

興味を持つクセは訓練で育てることができる

よく「会社には不満があるけど、好きなことがないから独立できない」と言う人がいるんですが、個人的にそれはちょっと違うと思っています。

 

好奇心=興味を持つ習慣は、ちょっと訓練で誰でも身につけることができるからです。自分の主観的な好き嫌いだけでものごとを見ていると、興味を向ける先が絶望的に限られるので意識して視点を増やしていくプロセスが必要です。

 

たとえば、いま私はロッテのチョコパイを食べながらこの記事を書いているのだけど、このチョコパイを相手に思いつくだけ質問を投げかけてみるのはすごく良い訓練っぽいです。「この銀色の袋の素材の名称はなにか?」「ギザギザのところをマジックカットに変更するとどのくらいコストが変わるの?」「チョコパイってずっとあるけど、最初に発売されたのっていつだろう?」「そもそもパイの定義ってなに?」など、無理やり質問をひねり出すんです。

 

最初はあんまり浮かばないんですが、意識して繰り返しやっていると、ふとしたときに自然と疑問が湧いてきてることに気がつきますよ。誰でもすぐにできるのでぜひやってみてください。

 

コミュニケーション能力と好奇心

フリーランスの腕の善し悪しって、技術的な面ももちろん重要なんですが、8割くらいはコミュニケーションで判断されているなぁと周りの方々を見ていて思います。それは流暢に話しをするという意味ではなく、どれだけクライアントのニーズに対して能動的に動くことができているかという意味です。

 

私が新卒で社会人になったときに感じたことですが、能動的に動くことってやっぱりちょっと怖くないですか?指示をされていないのに自分の考えで動くわけだから、そこには少なからず自分の意志や思想といった内面が表現されます。そうすると、自分の能力だけでなく人となりまで評価されるような感じがするし、実際に少なからずそういう側面はあるはずなので、一歩が踏み出せない気持ちはよく理解できます。

 

でもここ数年はちょっと私も考え方が変わってきて、フリーランスはどんどん内面まで評価されてしまっていいのかなと思うようになりました。自分のやりたいことや自由な環境を求めて独立したのだから、全部晒してしまって、それでもだめなら仕方ない!くらいの気持ちで取り組まないと、フリーランスをやってる意味がありませんよね。もし、それが難しいようであれば、会社員としてのメリットを享受していたほうがいいような気がします。

 

柔軟性も大事

抽象的な目標くらいがちょうどいい

独立するときってやっぱりこれまでの鬱憤とかこれからの希望があるので、大きな計画を立てがちですよね。でも独立した当初をあらためて振り返って、7年前に設定した具体的な目標って、もうびっくりするほど古くなってることに気がついたんです。年収◯◯万とか、タワマンの高層階に住む(この目標すら古いかもしれないですね)とか、ある程度普遍的な目標は定期的にモチベーションになってくれるんですが、仕事に関する具体的な目標は、技術の進歩や環境の変化によってかなりのスピードで古くなってしまいます。

 

もちろん設定した目標をガシガシこなしてすぐに達成してしまう人とか、先見の明がある天才型はいいんだけど、たぶんほとんどの人は下手に目標とか理想を掲げるより、眼の前の仕事に全力で取り組んで、そのときそのときベストな選択をしていくというスタンスのほうがいいんじゃないかなと。そうやっていくと、気がついたらいろいろ積み重なっているので、またそれを武器に目標をたてる感じのほうが、心も折れにくいし的確にニーズを追いかけていけるんじゃないかなと思ったりしています。

 

直感に頼りすぎないこと

これは揺るぎない覚悟がある人、自分の直感力に絶対的な自身がある人、経験に基づく瞬時の判断は除きます。それ以外、たぶん自分の直感は当てにしないほうがいいです。とくに「嫌」という感情は当てにならないことが多い、というかマイナスに働くことが多いと思っています。

 

自分の視野って思ってるよりもずっと狭いし、思っているよりもずっと食わず嫌いが多い。なんとなく嫌だと思ってたけど、実際にやってみたらそうでもないことは本当に本当に多いです。これはフリーランスにになって一番衝撃だったことかもしれません。

 

直感=「脳みその気まぐれ」に付き合っていると、あなたの可能性が制限されてしまうので、なんでも一回はやってみたほうがいいです。これを繰り返している人とそうじゃない人に圧倒的な差がつくことは想像するまでもないと思います。

 

古い設計図に縛られないこと

フリーランスとしての経験が少ないうちから自分のゴールを決めるのは難易度が高すぎます。たしかに立派な建物を建てるために設計図は必要だけど、相応の知識と経験がなければちゃんとした設計図なんてそもそも描けないですよね。そんなデタラメに書かれた設計図をもとに建物作業を進めても目標のものが完成するわけがないんです。

 

なので、まずは興味が赴くままにいろんなとこに飛び込んでみて、設計図を書くための準備をする時間をとるのがいいと思います。そして見識が広がったとき、もう一度書いてみるとまた違った設計図が出来上がるはずです。

 

設計図は何度でも修正していいと思います。どんな建物が建つのかは建ててみるまでわからないし、それがどんな価値を持っているかそのときになってみないとわかりません。それよりも、建てるプロセスそのものに全力で向き合って楽しんだほうが、フリーランス生活が楽しくなるような気がしませんか?

 

 

私はいまとても楽しんで仕事ができています。

良くしていただいているクライアント様やスタッフに感謝しつつ、自分が楽しむ姿勢を忘れないようにこれからもゆるく頑張っていきたいと思います。