フリーランスの手帖

自由な働き方をするための備忘録

デザイナーがAIと共存していくために

私たちにとってのデザイン

HAGUKUMI DESIGNでは、デザインを「情報を整理して発信すること」と定義しています。伝えたいことがたくさんある中で、なにを伝えたいかを決めて、どのように発信するかを考えるプロセスがまさにデザインです。

 

そう考えると、デザインは私たちの日々の生活にすっかり溶け込んでいますよね。街角のチラシ、好きな雑誌、よく見るSNS、楽しみにしている動画配信…これら全部、誰かがデザインしたものなんです。これは、消費者としての私たちが、必要なものとそうじゃないものを区別するのに役立っています。私たちは何気ない日常の中で、デザインされたもの同士を比較して、取捨選択を日常的に繰り返しているのです。

 

今や、企業だけじゃなく個人でも「らしさ」を表現するために、デザインを工夫するご時世です。このニーズに伴い、専門知識がなくても使うことができるいろいろなデザインサービスが誕生しているわけですが、これによりデザインのレベルは大幅に底上げされてきています。そしてこれからもAI技術は私たちが想像もできないようなスピードで進化をしていくのかもしれません。

 

さて、私たちデザイナーはこれからをどのように生きていけばいいのでしょうか。

 

 

AI技術が変えたもの

AIの進化は、デザインの世界にも大きな変化をもたらしました。もっと早く、もっと手軽に、もっと高品質なものを誰でも作れるようになり、コストも時間も節約できるようになっています。このような変化によって、一部のデザイナーが悲鳴をあげるのは簡単に想像できますね。

 

もちろん私自身も、変化を求められるという意味でプレッシャーは感じるのですが、状況を冷静に見てみると、これまでデザイナーの仕事の一部だった「どう発信するか」が相対的に重要になっただけなのかな、と思ったりもしています。

 

どういうことかというと、AIによって多くの人が、整理された情報をきれいに飾ることができるようになった(しかもハイレベルに)のですが、それって裏を返せば、みんなが簡単にできるようになったことでこれまでのような見た目での差別化が難しくなったということでもありますよね。そこで、デザインする側としては他の方法で差別化しようと考えるわけですが、現時点ではAIがあまり及んでいないのが「情報をどのように発信するかを決める」プロセスなんです。

 

AIによって人間の仕事が奪われたという解釈もできるのかもしれませんが、その本質は、競争するポイントがズレたということなんだと思います。

 

 

形を変えて生き続けるデザイン

デザインの世界は、AIの進化とともに間違いなく変わってきています。それでも、「情報を必要としている人に届ける」というデザインの本質は変わらないと思っています。

どんなに技術的な変化が起こっても、消費者がたくさんの情報から取捨選択する構造は変わらないので、私たちはデザイナーとしてこれまでと変わらず「選ばれるための手段」を探し続けることになるでしょう。

 

デザインを通じて新しい物語を紡ぎ、感動を生み出すこと。AIが進歩しても私たちの役割は変わりません。これからも皆さんのアイデアや感性をより豊かに表現し、人々の心に刺さるデザインを創り出すことに全力を注いでいきます。

 

決まった感があるので、今回はこれで終わります。